Panasonic NV-FS65

ジャンクS-VHSビデオデッキを修理する(3)


●現在の状況

 前ページから何も進んでいません。
 それどころか、いらぬところをいじって壊してしまったようです。

 本機は歯車の組み合わせで各部動作のタイミングを正確にとるようになっています。分解したら必ず歯車の位相を正しく合わせて組み立てないとまともに動いてくれません。


●Gメカの分解と組み立て

 組み立てに注意を要する歯車には、合印(●)がついています。これらの合印を全て正しく合わせて歯車を取りつけると、ハーフローディング状態で組み上がるようになっています。

 まずは表側、トグロカム周辺から位相合わせをしましょう。

 
(モードスイッチの位置が変ですねこれ)

 ピンチローラを外したところです。ここではトグロカムとその下の歯車、そしてモードスイッチ歯車の位相を合わせ、アームが立ち上がる状態にします。


 上の画像は斜めから撮影しているので印がずれているように見えますが、正しく合わせてくださいね。
 ここまで終わったら、ピンチローラをセットして裏面の位相合わせをします。
 ピンチローラを取りつけずに筐体を裏返すとトグロカムが脱落してしまうので注意。


裏面
キャプスタンモータが回しているプーリーと、そのプーリーに駆動される歯車をいくつか外します。


上の画像くらい外してしまえばいいと思います。
組み立てるときは、下の画像に示した順で歯車を取りつけてゆきます。

あとは、バラしたときと逆の順で。
最後の最後、カセコンの取付けにも位相合わせがあります。
まずメカを操作して、カセットがマウントされハーフローディングアームが動き出す直前の状態にしてください。そこからトグロカム近傍の黒い歯車を見ながら、黒い歯車の合印が真横を向くようセットします(下の画像を参考に)。



カセコンは、あらかじめ黒いプレート部と白い可動部に2分割しておきます。

 まず黒いプレート部を操作してテープがマウントされたときの位置、つまりテープはレールのいちばん奥まで移動し、前面ドアが閉じる状態にします。スプリングの力でイジェクト状態に戻ろうとしますが、そこはしっかり押え込んでメカベースにセットし、4ヶ所のネジを締めて固定してください。


右プレート側から見るとこんな感じ。


ネジ止め4ヶ所。

 キャプスタンモーターを手で回して、イジェクト状態にします。完全にイジェクト側に回しきった状態から少し戻した位置で止めると、カセコンの左右プレートで動いている白いプラスチック製のガイドレールがサイドプレートの穴から覗く状態になります。

 この状態の時に、分離してあったカセコンの可動部を上からガチャッと押し込みます。
 これでカセコンの位相は合うはずです。
 最後にキャプスタンモータを手で回して、メカ各部が正常に動くことを確認してください。


 やっとメカの位相合わせが終わったので、最後の仕上げに移ることにしましょう。

 

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